皆さんが「疑問に感じそうな事柄」と「よく聞かれる質問」を記載しました。
鍼灸ってどのくらいで効果が現れるの?
結論から言うと、症状や全身的な健康状態、年齢、施術に対する感受性など条件が違うので一概には言えません。
経験的見解としては
- ぎっくり腰などの急性腰痛などは1回の施術で改善する事も多いと感じます。
- 坐骨神経痛などの神経痛は2~3回の施術で緩和してくる事が多いと感じます。
- 頭痛なども比較的即効性があり、基本は1回の施術で効果的な事が多いと感じます。
- 手足の痺れも年を超える慢性期の場合はケースバイケースですが、発症後まもなく急性期に近い場合は数回で緩和してくる事が多いと感じます。
- 中高年になりホルモンバランスの変化による不定愁訴なども1回の施術でもかなり楽になる方が多いと感じます。
- 慢性的な肩こり、腰痛、手足の冷えなどは年単位で症状を抱えてる方が多いのもあり、1回の施術で効果を示しますが改善するには通院して頂きながら生活改善が必要かと思います。体質改善が必要という事です。
鍼灸 どんな人におすすめ?
基本的には老若男女を問わず全ての方々におすすめです。
鍼灸などは特に病院に行ったがなかなか思うように改善しない時に「最後の駆け込み場所として」「ダメ元で試してみるか」みたいな感じの方も多いと感じます。得意不得意はありますが、鍼灸・あん摩指圧マッサージ等は人の本来持つ自然治癒力を刺激して身体が健康になろうとする力を引き出したり、きっかけを作る療法だと思います。その視点からすると不向きなケースはありません。
経験的な見解としては
- 病院・クリニック等の医療機関で検査、医師の診断がついている方が望ましいです。レントゲンやMRI検査、血液検査など各種医学的検査は私達にはできません。いつもと違うと感じる時は医師の確定診断を受けて最悪のマイナス要因を排除する事が大切です。
- 投薬、処方薬、漢方薬など薬全般に効果が小さかったり苦手な方もお試しください。併用する事で効果的であったり、減薬にもつながります。
- 自律神経の乱れ、不定愁訴などを主とする方。ぜひお試しください。
- 神経や筋肉など運動器系の痛みやしびれを主とする方。ブロック注射や鎮痛剤、ビタミン剤などの効果が無い方に対しても効果的な事が多いです。
鍼治療のデメリットは?
鍼の場合
当院では入浴も1時間程度あけていただければ問題ないと考えています。血行が良くなっている状態なのでいつもよりのぼせやすいかもしれませんので注意しながらゆっくりと入浴を楽しんでください。まれに毛細血管などから内出血したり、紫斑が出ることがあります。自然に吸収されますので心配いりません。細心の注意を払っても防げないこともありうる事なのでご理解ください。
体調により微熱、倦怠感、眠気、揉み返しのような感覚がありますが、その時はゆっくりと身体を休めてください。好転反応といわれよい反応であることが多いです。
お灸の場合
基本的には鍼と同じですが、お灸は感じる感じないにかかわらず熱を伝えるために多少のやけどを伴います。当日は入浴などでこすったりしないでください。水ぶくれなどある時はつぶさずそっとしてください。水分は自然と吸収されます。
あん摩指圧マッサージの場合
状態により強めに刺激を入れる場合は、一時的に揉み返しがある人がいます。筋肉痛、倦怠感などです。
適切に施術を継続することにより、身体のエネルギー(生命力)(氣)の活力、バランス、血流、水分バランス、筋腱の癒着、凝りの改善、血圧などの内科的変化など全身が変化して整ってきます。人によっては何十年と偏ってきた身体のバランスが変化して良い方向へと向かうわけですから様々な変調を感じる方もいます。当然といえばその通りなのですが、当人にしてみれば不安を感じるかも知らません。しかし視点を変えてみれば良くなってきている通過点とも言えますので頑張って戴きたいと願います。
鍼灸・あん摩指圧マッサージは毎日しても大丈夫ですか?
経験豊富な同一の施術者に受けるのであれば心配ないように思います。前回の刺激量、強度を調整して適切に対応する事により対処できます。当院もその時々で希望される方への判断をして受けるか、日数を開けて頂くかの決定をしてます。
着替えはありますか?
はい。 患者様用の着替えを準備しています。 自分で持参したい方は、リラックスできるものをご用意ください。
施術後に入浴してもよいでしょうか?
鍼治療で使われる鍼は非常に細いものです。消毒等もしていますので基本的には入浴も問題ないと考えています。ただし施術後は血行が良くなっていて平素よりものぼせやすいかもしれません。体調の変化に注意していただき問題なければ「施術後1時間程」開けていただいて入浴して頂ければと思います。施術後には倦怠感、眠気、微熱など好転反応と思われる症状がある事があります。その時は無理せず休憩して落ち着いてからにするのが良いでしょう。
施術を受けた後の過ごし方で注意点はありますか?
特にダメなものはありませんが、施術の効果は施術後すぐのものと、時間の経過とともに癒されてくるものがあります。できればゆっくりとリラックスした時間を心安らかにお過ごしください。
また、好転反応として、倦怠感、眠くなる、微熱などの症状がある時は、安静にしてゆっくり養生してください。これらの反応の後に軽くなる事が多いと思います。
施術後に用事があるのですが、飲食やお酒など注意点はありますか?
施術後は、東洋医学的な気の流れが良くなり、血行なども良くなっている状態です。いつもより食欲が出たり、お酒の酔いが早いかもしれません。いつもよりも注意していれば基本的には問題ないと考えます。
定期的に通院しないと駄目ですか?
そんなことはありません。基本的に本人にお任せしています。予防を兼ねて定期的に来院する方から、調子の悪い時だけの方までいます。
症状や生活環境など条件が一人一人違いますので一概には言えません。1~2週間の間隔、月に1回程度の方が多いと思います。通院しながら自分の心と身体と向き合う中で良い感覚がつかめてくると思います。 また体調や季節によっても変化するので調整してください。
湿布や薬はもらえますか?
申し訳ございません。処方箋はかかりつけの医師にご相談ください。またはドラックストア等で購入してください。
病気の診断をしてもらえますか?
申し訳ございません。 確定診断は医師にしかできません。かかりつけの医師、専門医による検査と診断をお受けください。
原因がわからず不調が長引く時は、医師の検査と診断を受けることをお勧めいたします。
東洋医学では、古くからの手法による検査等は独自に存在しますが、科学的、客観的に病気の確定はできません。画像診断や血液検査など、医師による確定診断を通して最悪の事案を排除する事が大切です。その上で、鍼灸、按摩指圧マッサージ、漢方薬などの東洋医学を活用する事が現代では安全な選択だと思います。
薬を減らしたり、止めたいのですが、鍼灸マッサージで止められますか?
自己判断による減薬、中断はお勧めいたしません。薬の種類によっては徐々に減薬しないと副作用が出やすいものもありますし、薬を処方される原因となった病気によるリスクもあります。担当医師や薬剤師と相談が必要です。当院でも、鍼灸マッサージなどの施術を受けながら症状が好転していく過程で、本人が医師と相談しながら、減薬や断薬をできた方々を多く診てきました。焦らずともに頑張っていけたら幸いです。
怪我でものすごく腫れて、内出血が強く、骨折や脱臼が心配なのですが?
接骨院(整骨院)での 柔道整復師による施術は、応急処置が認められています。しかし、レントゲン等の画像診断による確認ができません。現在は病院も多く地域にありますので医師による診断を優先することをお勧めいたします 。骨折もヒビ程度から完全に折れているものまで多種多様です。部位によっては筋・腱に引っ張られている個所などで注意が必要な時もあります。いつもと違う感じがある時はご注意ください。
鍼は痛くありませんか?
当院は「鍼管法」といわれる日本式の打ち方(鍼の刺し方)を基本的には採用しています。「トントン」と鍼管を叩いた瞬間に2~3㎜程度刺してから深さを調整します。鍼が刺された瞬間は無痛か、チクと感じる程度の方がほとんどですが、体調や緊張具合によっては痛覚神経が敏感に反応して瞬間的に痛いと感じる時があります。
また、深さを調整する時に身体の凝っている箇所などに鍼が当たると「ズシンと重く」感じる時があります。この感覚は鍼独特の感覚で「響き」とよく表現されます。この響きは基本的には効果的な反応となります。苦手な方もいますが、針を刺したまましばらくすると感じなくなる事がほんどです。
感じ方は個人差が非常に大きく、体調や緊張、精神状態により変化しますが、痛くない事がほとんどなのでご安心ください。当院も小学生から90歳代の方まで鍼治療をしています。
鍼による感染症が心配なのですが?
医療機関で一般的に使われている消毒薬等を使用しています。また使用する鍼は滅菌処理された使い捨ての、ステンレス製を使用しています。安心してお受けください。
お灸による火傷が心配なのですが?
方法にもよりますが、痕が残るのが嫌いな方が大半なので、そのような配慮をして行っています。本人が気持ち良いと感じる刺激量を基準に考えていますのでご安心ください。
現在妊娠中です。鍼灸や指圧マッサージなどを受けることができますか?
母子ともに健康であり、産婦人科の医師による診察で問題がなければ基本的にはお受けできます。妊娠を希望する方が、鍼灸などを妊活の手段として利用するケースも現在は一般的だと思います。妊娠から出産、産後のケアまで東洋医学の視点から対応できます。例えば、逆子の治療に鍼灸が良いという話は多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか
病気の治療の為に現在通院中です。鍼灸など東洋医学を併用して受けたいのですが、可能でしょうか?
病気や症状にもよりますが、基本的にはお受けできると思います。
心配なことがある場合は、担当の主治医にご相談していただいたり、当院に相談していただいても良いかと思います。色々なケースの方が鍼灸をご利用いただいています。安心してご活用ください。
接骨院や整骨院、整体やカイロプラクティック、あんま、指圧、マッサージなど街に色々な表記があり、素人にはよく分かりません。資格基準などどのようになっているのですか?
国家資格と民間認定などが混在していて分かりづらいのが実情です。以下に目安となる分類を記してみます。
国家資格
- 柔道整復師・・・○○接骨院、○○整骨院
- 鍼師・灸師・・・○○鍼灸院
- あん摩指圧マッサージ師・・・○○治療院、○○施術院、○○堂など
- 複数資格保有者・・・○○鍼灸整骨院など
民間資格・認定
- ○○整体 ○○カイロプラクティック ○○サロン 〇〇庵 など
日本の現状について
日本における東洋医学系の国家資格は、解剖学、生理学、病理学をはじめとする現代医学の基礎分野と各々の資格に応じた専門分野を、専門学校で3年間、大学で4年間かけて習得します。学校卒業後に国家資格取得のための国家試験を受験、クリアしなければなりません。看護師や理学療法士など、コメディカルと言われる医療分野の国家資格と同等とイメージしてください。また、保険取扱いや、控室、施術スペース、衛生面など開業するにあたっての細かな規定が明確に決められています。国からの許認可事業となります。
それに対して、民間認定の場合は国家資格のような基準は現在全くありません。良くて自主規制レベルです。通信教育から国家資格レベルを目安として数年間かかるものまであります。極端な話ではありますが、誰でも明日から開業できてしまうのが現実です。
私の場合は、民間認定関係で3年間。国家資格で6年間の勉強を継続して資格を取得しました。職種の性質から、最低でも国家資格を取得して生業とすることは必須であると思います。それは患者さんのためでもあり、リスクを最小限にする意味で自分自身のためでもあります。様々な名前や宣伝をするお店がありますが、最低限、国家資格を取得して生業としている治療院をお薦め致します。
また、国家資格をベースとした開業権で治療院を運営する場合には広告宣伝にも規定があります。これは病院などの医療機関でも同じです。目を引く過大広告や宣伝にはご注意ください。私の知る限りでは、まじめな先生、業界でも腕の良い先生ほど宣伝はあまりしてないように思います。