腰の構造を知る:土台としての脊椎と筋肉

腰は、体を支える強固な骨格と、動きを安定させる複雑な筋肉群から構成される、人体の「土台」です。これらの構成パーツがうまく連携している間は問題ないのですが、どれか一つでも不調をきたすと、腰痛というSOS信号が送られてくることがあります。特に、腰痛の多くは筋肉の機能不全と密接に関係しています。背骨の深部に位置する「多裂筋」と、腹部を横断する「腹横筋」は、私たちの体幹を安定させる上で極めて重要な天然のコルセットのような役割を担います。これらの深層筋が機能不全を起こすと、日常のふとした動作の瞬間に痛みが誘発される原因となり得ます。

1.腰部の主要なパーツ

  • 背骨(脊椎): 背中の中心にあり柱のように存在しているのが、24個の椎骨というブロックが積み木のように連なった背骨です。このブロックの一つ一つが、体の重みを支える土台となっています。特に腰の部分にある椎骨は「腰椎(ようつい)」と呼ばれ、最も大きなブロックが5つあります。基準としてほとんどの人が5個の腰椎(L1〜L5)を持っています。
注釈;個人差について

仙骨化(Saccralization):一番下の腰椎(L5)が仙骨と癒合してしまっている場合です。この場合、機能的な腰椎の数は4個に見えることがあります。

腰椎化(Lumbarization):逆に、本来は仙骨の一部であるはずの一番上の仙骨(S1)が腰椎のように分離している場合です。この場合、機能的な腰椎の数は6個に見えることがあります。これらの状態は移行椎(Transitional Vertebrae)とも呼ばれ、先天的な骨変異の一つです。多くの場合特に症状はありませんが、稀に腰痛などの原因となることもあります。

  • 椎間板(ついかんばん): 椎骨と椎骨の間には、クッションの役割を果たす「椎間板」があります。これはゼリーのような柔らかい中心部(髄核)と、それを囲む硬い線維の輪(線維輪)でできていて、衝撃を吸収したり、背骨を柔軟に動かしたりするのに役立っています。
  • 筋肉と靭帯(じんたい): 背骨の周りには、たくさんの筋肉と靭帯が張り巡らされています。これらは、背骨を安定させたり、体を動かしたりするのに不可欠なワイヤーのようなものです。おなじみの腹筋背筋はもちろん、インナーマッスルと呼ばれる腸腰筋多裂筋腹横筋など深部の筋肉も、腰の安定には欠かせません。
  • 神経: 背骨の中には、脳から全身につながる重要な神経が通っています。この神経は体のあらゆる動きや感覚を司っていて、腰椎の周りからは足に向かう神経が枝分かれしています。

2.自律神経の働きと内臓との関係

自律神経は、私たちの意識とは関係なく、体内の機能を自動で調節してくれる神経です。例えば、心臓を動かしたり、食べ物を消化したりする働きです。この自律神経には、交感神経副交感神経の2種類があります。

  • 交感神経::活動や緊張、興奮を司る「アクセル」の役割をします。これにより、心拍数が上がったり、血管が収縮したりします。
  • 副交感神経:リラックスや休息を司る「ブレーキ」の役割をします。これにより、心拍数が下がったり、消化活動が活発になったりします。

この2つの神経がバランスをとりながら、内臓の働きをコントロールしています。ほとんどの内臓は、この両方の神経の支配を受けています。

例えば、消化器を例に見てみましょう。 食事をして消化をするときは、リラックスしている状態ですよね。このとき、副交感神経が優位になり、胃腸のぜん動運動が活発になります。逆に、ストレスを感じて緊張状態にあるときは、交感神経が優位になり、消化活動は抑えられます。これは、緊急事態に備えてエネルギーを消化ではなく、筋肉などに回すためです。

腰痛との関連で考えると、内臓の不調が腰痛を引き起こすこともあります。例えば、内臓の機能低下により血行が悪くなったり、炎症が起きたりすると、それが関連痛として腰に現れることがあります。また、慢性的なストレス緊張によって交感神経が優位な状態が続くと、内臓の機能だけでなく、腰の筋肉も常に緊張し、血行不良や疲労の蓄積、炎症を起こしやすくなり腰痛の原因になることがあります。

この双方向性の理解は、単に痛む部位(腰)だけでなく、内臓機能や自律神経のバランスを含めた全体的なアプローチ(例:鍼灸治療、内臓マニピュレーション、自律神経調整を目的としたリラクゼーションなど)が、慢性的な腰痛の改善に有効である理由を説明する根拠となります。

詳しく知りたい方向け

反射の経路とメカニズム

体性-内臓反射、および内臓-体性反射は、自律神経系体性神経系脊髄で接点を持つことで成立する反射機構です。

内臓-体性反射 (Viscero-somatic Reflex)

内臓の異常が身体の表面(皮膚や筋肉)に影響を与える経路です。

  • 求心路(入力): 内臓の不調や疾患(例:胃炎、腎臓結石)による侵害受容(痛み)や異常な感覚が、内臓求心性自律神経を介して脊髄に伝達されます。
  • 中枢(脊髄): 内臓からの信号が脊髄の特定レベルで、同じレベルの体性運動ニューロン(筋肉を支配)や体性感覚ニューロン(皮膚感覚を支配)とシナプス結合します。
  • 遠心路(出力):
    • 体性運動神経が興奮し、対応する皮膚の領域や体壁の筋肉過緊張こわばりを引き起こします(例:胃の不調が背中の筋肉の張りを引き起こす)。
    • **関連痛(Referred Pain)**として、内臓の痛みが離れた体表部分で感じる現象も、この共通の脊髄セグメントにおける感覚神経の混線によって生じます(例:心臓の痛みが左肩や腕に感じる)。

体性-内臓反射 (Somato-visceral Reflex)

身体の表面(筋肉、皮膚、関節など)への刺激が内臓機能に影響を与える経路です。この側面が「ストレスによる筋肉の緊張が内臓の機能不調を引き起こす」点に深く関わります。

  • 求心路(入力):
    • 強いストレス持続的な姿勢不良による筋肉の過度な緊張(体性侵害刺激)が、体性求心性神経を介して脊髄に伝達されます。
    • 鍼灸マッサージなどの治療刺激も、この求心路を利用します。
  • 中枢(脊髄): 体性からの信号が脊髄で自律神経遠心路(交感神経・副交感神経)とシナプス結合します。
  • 遠心路(出力):
    • 脊髄から出た自律神経遠心路を介して、関連する内臓(胃腸、心臓、血管など)の機能が調節されます。
    • 例:持続的な腰部の筋緊張痛みは、対応する脊髄分節から出る交感神経を過剰に興奮させ、その支配下にある内臓機能(例:消化管の蠕動運動や血流)を抑制する可能性があります。

ストレスと腰痛の双方向性の関連

「ストレスによる筋肉の緊張 → 内臓の機能不調 → 腰痛悪化」の双方向性メカニズムは、まさに体性-内臓反射内臓-体性反射の連鎖として捉えられます。

ストレスと筋肉の緊張(体性 → 内臓)

  • ストレスは、脳の**視床下部-下垂体-副腎皮質系 (HPA Axis)**を活性化すると同時に、交感神経系を強く興奮させます。
  • 交感神経の興奮は全身の筋肉を緊張させ(防御反応)、特に姿勢を保持する抗重力筋体幹の深層筋(腰痛に関連)に過負荷を与えます。これは体性侵害刺激となります。
  • この体性侵害刺激(筋肉の緊張)が体性-内臓反射を引き起こし、交感神経の亢進を介して消化管の血流減少蠕動運動の抑制といった内臓機能不調を誘発します。

内臓の不調と腰痛の悪化(内臓 → 体性)

  • 内臓機能の不調(例:消化不良、便秘、過敏性腸症候群など)が、内臓-体性反射によって脊髄の同じ分節を介して腰部の深層筋腹壁の筋肉に緊張をもたらします。
  • 元々ストレスで緊張していた腰部の筋肉が、内臓からの信号によってさらに過緊張し、腰痛を悪化させたり、慢性化させたりします。

悪循環の形成

体性-内臓反射と内臓-体性反射は、この連鎖によって**「ストレス → 筋緊張 → 内臓不調 → さらなる筋緊張/腰痛」**という悪循環を形成します。

3.痛みの科学:神経と発痛物質の役割

痛みは、単に神経が物理的に圧迫されることによって生じるだけでなく、体内で生成される化学物質によっても引き起こされます。激しい運動や加齢に伴い、椎間板の変性や突出によって神経が圧迫されると、痛みや痺れの症状が発生します。これは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛といった特異的(原因が明確)な腰痛の原因となります。

さらに、筋肉が硬直し、血液循環が滞る虚血状態では、ブラジキニンプロスタグランジンヒスタミンといった「発痛物質」が生成されます。これらの化学物質はC神経線維を刺激し、腰に鈍痛を引き起こすことが明らかになっています。興味深いことに、これらの発痛物質は患部の血流を良くしようとする修復の働きも持っています 。そのため、慢性的な腰痛に湿布を貼り続けることは、根本的な解決には繋がらず、治らない悪循環に陥る危険性があります。痛みの原因を物理的・構造的な問題と、化学的な発痛物質の作用という二つの異なるメカニズムから捉えることで、腰痛の複雑さがより深く理解できます。

  • C線維(鈍い痛みやだるさの信号を伝える神経線維)とは神経線維の分類の中で最も細く、伝達速度が最も遅い特徴があります。自律神経系の節後線維に主にあり、鈍い痛み、温度覚、一部の冷覚などを担当しています。
  • ブラジキニンとは、9個のアミノ酸からなるペプチドで、「オータコイド」と呼ばれる局所ホルモンの一種です。血管拡張による血圧低下最強の一つとされる発痛作用、および血管透過性の亢進を介した炎症反応を引き起こす生理活性ペプチドです。
  • プロスタグランジンは、アラキドン酸から生合成される生理活性脂質で、炎症、発熱、痛みの誘発・伝達に関与します。また、血管の収縮・拡張血小板の凝集を調節して血圧や循環に影響を与え、子宮収縮などの平滑筋運動にも作用します。さらに、胃酸分泌の抑制胃粘膜の保護という消化器系の恒常性維持にも重要な役割を果たしています。
  • ヒスタミンは、アミノ酸のヒスチジンから生合成される生理活性物質です。アレルギー反応に関与していて、体内の肥満細胞などに蓄えられており、アレルゲンなどの刺激で放出されると、血管拡張かゆみくしゃみなどのアレルギー症状や炎症を引き起こします。また、生理機能として、胃のH2受容体に作用して胃酸分泌を促進するほか、脳では神経伝達物質としても機能しています。食中毒への関与もあり、魚などの食品中で細菌が増殖すると生成され、加熱しても分解されず、食べた人にアレルギー様の食中毒を引き起こすことがあります。

4. 腰痛の種類:特異的腰痛と非特異的腰痛

西洋医学では、腰痛を大きく二つのタイプに分類します。

特異性腰痛:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、すべり症、圧迫骨折など、画像検査や診察で痛みの原因が明確に特定できる腰痛です。

非特異性腰痛:医師の診察やX線、CT、MRI、超音波などの画像検査を行っても、痛みの明確な原因が特定できない腰痛を指します。このタイプが腰痛全体の約85%を占めると言われています。西洋医学の検査では原因が特定できないため、治療が難航するケースが多く、これが腰痛を長引かせる一因となっています。

「特異的腰痛の主な原因(画像診断で特定しやすいもの)」「非特異的腰痛に分類されがちなもの」

  • 椎間板ヘルニア: 椎間板の中心にあるゼリー状の髄核が、外側の線維輪を突き破って飛び出し、近くを通る神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こします。まるで、ドーナツの中身が飛び出して、隣のケーブルをぐっと押してしまうようなイメージです。
  • 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう): 加齢などにより、神経が通るトンネル(脊柱管)が狭くなる病気です。神経が圧迫されると、歩いているうちに足が痛くなったり、しびれたりして、休憩すると症状が改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴です。
  • 筋筋膜性疼痛(きんきんまくせいとうつう): 非特異的腰痛の代表例で、これは最も一般的な腰痛の原因の一つでいわゆる「ぎっくり腰」の多くがこれに含まれます。長時間同じ姿勢を続けたり、過度な運動をしたりすることで、腰や背中の筋肉が硬くなったり、炎症を起こしたりして痛みが生じます。まるで、ゴムバンドが伸びきって硬くなった状態を想像すると分かりやすいかもしれません。
  • 骨粗しょう症: 骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。特に高齢の女性に多く見られ、腰椎が潰れる「圧迫骨折」を引き起こし、強い腰痛の原因となります。
  • 変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう):脊椎(背骨)の加齢による変性や摩耗が原因で起こる慢性的な病気です。体のクッションの役割を果たす椎間板が水分を失って弾力性が低下したり、骨同士がこすれたりすることで、脊椎の一部が骨のとげ(骨棘:こつきょく)のようになって突出したり、関節が変形したりします。
  • 内臓の病気: 内臓と自律神経の関係にも通じますが、腎臓の病気や尿路結石、子宮や卵巣の病気などが原因で、腰に痛みが現れることもあります。これは、神経のつながりによって、内臓の痛みが腰の痛みとして感じられる「関連痛」と呼ばれる現象です。
    • 腎臓の病気による関連痛は、主に腰や背中の痛みとして感じられます。
      • 尿管結石では脇腹から背中、下腹部、股間に広がる激しい差し込むような痛み(疝痛)急性腎盂腎炎では、感染側の腰や背中に、発熱を伴う強い痛み。叩くと響く事があります。
    • 子宮や卵巣の病気が原因で生じる関連痛は、病変部から離れた場所に現れる痛みです。子宮内膜症子宮筋腫、進行した卵巣がんなどで腰や背中、肛門の奥の排便時痛、神経圧迫による股関節や下肢への放散痛などがあります。

これらがよくある腰痛の主な原因ですが、大切なのは「どうしてその状態になったのか?」という背景を考えることです。例えば、椎間板ヘルニアは重い物を持ち上げる動作が引き金になることが多いですし、筋筋膜性疼痛はデスクワークなどの不良姿勢が関係していることが多いなどが考えられます。

「どうしてそうなったのか」を自覚することで、食生活、生活習慣など何を、どのように、改善したら良いかを自ら自覚しやすいと思います。

5. 検査と診断:整形外科でのプロセスの全貌

整形外科では、まず医師による「問診」が行われ、痛みの性質(ズキズキ、ジンジン、重だるいなど)や発症の時期、きっかけなどが詳細に尋ねられます。

次に、姿勢や歩き方の観察、患部の触診による圧痛や熱感の確認、関節の可動域測定といった「身体診察」が行われます。これらの視覚的、触覚的な情報が、痛みの原因や体の歪みを把握する第一歩となります。

身体診察の結果に基づき、腰痛の原因を特定するために「画像検査」が追加で行われることが一般的だと思われます。初診時の検査としてはX線検査が一般的です。骨折や骨の変形、骨粗しょう症の評価に優れていますが、神経や筋肉、椎間板といった軟部組織は写りません。そのため、レントゲンで「異常なし」と診断される場合でも、痛みが続く場合にはCT・MRI検査など、より詳細な検査が必要となることがあります。

画像診断

  • レントゲン:骨の変形やずれ、骨折などを確認できます。
  • CT:骨の詳細な断面図を見ることができ、骨棘(こつきょく)や椎間板の石灰化などがわかります。
  • MRI:骨だけでなく、椎間板や神経、筋肉、靭帯などの軟部組織を鮮明に見ることができ、ヘルニアや脊柱管狭窄症の診断に非常に有効です。

徒手検査

一般的な検査として、以下のようなものがあります。

  • 下肢伸展挙上試験(SLRテスト)
    • 仰向けに寝た状態で、膝を伸ばしたまま足をゆっくりと挙上し、坐骨神経の走行に沿った痛みやしびれが出現するかを確認します。
    • 何がわかるか: 坐骨神経などの神経根の伸長に対する感受性(刺激されているかどうか)がわかります。膝を伸ばしたまま足を上げると、神経が引っ張られ、椎間板ヘルニアなどで神経根が圧迫されている場合、痛みやしびれが増強します。これにより、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの有無を調べます。
  • ケンプテスト
    • 立位または座位で、上体を斜め後ろに反らせて捻る動作をしてもらい、痛みやしびれが増強するかを調べます。
    • 何がわかるか: 脊椎の後方にある構造物(椎間関節、神経根など)への負荷に対する反応がわかります。上体を反らせて捻る動作で、椎間関節への負荷が増したり、椎間孔(神経根の通り道)が狭くなったりします。これにより、椎間関節炎や腰椎分離症、椎間板ヘルニアによる神経根の刺激の有無を推測します。
  • 反復運動検査
    • 立位などで前屈や後屈といった特定の動作を繰り返し行い、症状や可動域の変化を観察します。
    • 何がわかるか: 特定の動作(前屈や後屈)を繰り返すことによる症状の動態的変化がわかります。症状が改善するか、悪化するか、変化がないかを評価することで、痛みの発生源や病態の性質を判断し、適切な治療方針(例えば、どの方向への運動が症状を改善させるか)を決定するのに役立ちます。
  • 触診
    • 腰背部の筋肉(多裂筋、最長筋など)の緊張(筋スパズム)や、脊椎の棘突起間などの圧痛(押したときの痛み)の有無を調べます。
    • 何がわかるか: 腰背部の筋肉の状態や脊椎の異常がわかります。多裂筋や最長筋などの**筋肉の過緊張(筋スパズム)**や、特定の場所の圧痛(押したときの痛み)の有無を調べることで、椎間板性腰痛や筋・筋膜性疼痛、脊椎の関節や靭帯などの問題の有無を推測します。
  • 徒手筋力テスト(MMT)
    • 特定の筋肉群に対して抵抗をかけ、筋力の程度を評価します。
    • 何がわかるか: 特定の神経根が支配する筋肉の筋力低下の有無と程度がわかります。神経根が障害されると、その神経が指令を送る筋肉の力が弱くなります。このテストにより、神経根障害の局在(どの神経根がやられているか)を把握し、重症度を評価できます。
  • 深部腱反射
    • 膝蓋腱やアキレス腱などを叩き、反射の程度を調べます。
    • 何がわかるか: 神経系の働き(特に反射弓の機能)が正常かどうかがわかります。腱を叩いて反射が亢進(強すぎる)したり、減弱・消失したりする場合、神経根や脊髄の障害が示唆されます。腰椎椎間板ヘルニアなどによる神経根症状の有無を客観的に評価できます。

これらの徒手検査は、画像診断では特定しにくい機能的な問題や、患者さんの訴える症状の原因を特定するための重要な手段となります。ただし、正確な診断のためには、問診や他の検査と合わせて総合的に判断されます。

しかし、西洋医学的な検査で『異常なし』と診断される約85%の非特異的腰痛には、骨や神経以外の何が潜んでいるのでしょうか? 次の第3章では、多くの人が見過ごしがちな『心と脳』が腰痛に与える衝撃的な影響について深く掘り下げていきます。

お読みいただきありがとうございました。

【シリーズ目次】治らない腰痛を解決するために、この6つの真実を知ってください

  • 第1章国民病「腰痛」のパズルを解くなぜあなたの痛みは治らないのか?
  • 第2章西洋医学が解き明かす腰痛のメカニズム:解剖生理学の視点
  • 第3章見過ごされがちな真実:心理学的側面と慢性腰痛
  • 第4章腰痛を全体でとらえる:東洋医学の深い知恵
  • 第5章鍼灸、あん摩指圧マッサージ:科学と伝統に基ずく総合的な治療メカニズム
  • 第6章統合医療の優位性と鍼灸、あん摩指圧マッサージの役割

慢性腰痛の根本解決を目指す方は、お気軽にご相談・ご予約ください。

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